膝が鳴るのは悪い状態??

こんにちは、理学療法士の青堀です。

今回は膝が鳴るのは悪い状態かについて考えてみたいと思います。多くの方が身体(特に指や首など)を動かした際に、「ポキ」と鳴る経験をしたことがあると思います。この関節音(joint sound)は、一回鳴るとしばらく鳴らないものから、動きに合わせて毎回鳴るものと様々です。音が鳴る原因は、これまで様々な研究がなされてきましたが、まだはっきりとその原因はわかっていません。通説として、関節内にある滑液に発生する気泡が破裂する際に音が生じるとするもの(Unsworthら)[i]や、関節が急に引き離された結果、滑液の圧力が低下し、気泡のような空洞部分が形成されることで音が発生するもの(Rostonら)[ii]があります。最近の研究にて、MRIを使用して関節音の原因を調査したものでは、気泡の破裂によるものではなく、関節内での空洞の形成に関係していることが示されました(Kawchukら)[iii]。これらのことから、関節音には関節内での空洞の形成が関与していることが示唆されます。

では、運動時に膝関節が鳴るのは悪い状態でしょうか?2018年に発表された論文(Sang Junら、Noise around the knee)[iv]によると、関節音を「生理的な関節音」と「病的な関節音」に分けることが重要であると示しています。病的な関節音の判断としては、「痛み」、「関節水腫」、「腫脹」を伴う関節音であるか、または外傷後から関節音が発生したが重要となります。特に関節音が単発では痛くなくても数回持続すると痛み出す場合も病的な関節音となるので、痛みを伴う関節音には注意が必要となります。

今回は、膝が鳴るのは悪い状態かについて考えてみました。特に痛み等を伴わない関節音であれば、心配することはないかと思います。逆に痛みを伴うのであれば、関節内外に問題が生じていることが示唆されるので一度受診されることをお勧めします。

 


[i] Unsworth A,Dowson D,Wright V.’Craking joints’:a bioengineering study of cavitation in the metacarpophalangeal joint.Ann Rheum Dis 1971;30(4):348-58

[ii] Roston JB,Haines RW.Cracking in the metacarpo-phalangeal joint.J Anat.1947;81(Pt2):165-73

[iii] Kaechuk GN,et al.Real-time visualization of joint cavitation.PLoS One.2015;10(4):e0119470

[iv] Sang Jun Song,Cheol Hee Parl et al.Noise around the knee.Clinics in Orthopedic Surgery 2018;10:1-8

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