変形性膝関節症に対する足底挿板の目的について

 こんにちは、理学療法士の青堀です。今回は変形性膝関節症(以下膝OA)に対する足底挿板の目的について考えてみたいと思います。

 一般的に、内反型(O脚)の膝OAに対して外側が高い楔型足底挿板(Lateral wedged insole)が処方されます。これは、「荷重を内側大腿脛骨関節面から外側関節面に移動させる」ことを目的とします。

 膝関節の正常な配列(アライメント)として、膝を伸ばした際の下肢は、近位部(大腿骨)が遠位部(脛骨)に対して外側に傾斜している外反位となります。この大腿骨と脛骨の角度を大腿脛骨角(femorotibial angle:FTA)といい、日本人の成人平均として、「男性では178°、女性では176°」であり、「内反型の膝OAでは180°以上」になるとされます。(図1参照)

 また荷重時には前方からみると、股関節・膝関節・足関節の中心が直線上に結ばれます(機能軸:ミクリッツ線、図2参照)。内反の膝OAでは、何らかの理由で機能軸が内側に移動することで、内側大腿脛骨関節面に加わる圧縮力が増加することでO脚となり、関節の変性が進行することが考えられています。(図3参照)

 以上のことから、内反型の膝OAに対する足底挿板の処方は、膝の内側にかかる負荷を減らすことで変形を抑制することが目的となります。以前のブログでも紹介したように、膝関節の軟骨が摩耗することで関節の炎症を引き起こし、痛みや関節水腫となるリスクが高くなります。近年では足底挿板の形状において、外側が高いものだけではなく歩行分析等により様々な形状が施行されております。また、理学療法ガイドライン第一版では、膝OAに対する足底挿板療法について、「推奨グレード B エビデンスレベル 1」とされており、膝関節痛やアライメントの改善に関する効果は期待できそうです。 

 今回は変形性膝関節症に対する足底挿板の目的について考えてみました。膝関節痛は多くの方に発症する病気です。足底挿板療法に関しては、様々なものが存在しますため、私個人としては、リハビリを行った上で医師との相談により使用するか検討していただけたらと思います。それでは。。。

【参考文献】  標準整形外科学.医学書院.2008 

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